【神奈川県】歴史と文化と青春の香り漂う流行発信地! 風光明媚で都会的な神奈川の意外な発見とは?

東京に次ぐ商業・経済の中心でありながら、海・山の自然にも恵まれ、住みやすい県ベスト3に入る神奈川県は、鎌倉以降の古い歴史があり、明治以降の文明開化の発祥地として数々の流行を生み出し、多くの文化人に愛されてきました。世代を超えて今なお熱い視線が注がれる神奈川の魅力を、意外な事実を紐解きながら探ってまいりましょう。

歴史

神奈川県を語るのに外せないのが歴史です。中でも中世に始まる鎌倉と幕末~明治維新の時代は、国の歴史をも動かし県の礎を築いた重要な歴史の1ページです。

1.鎌倉時代

源頼朝

「いいくに(1192)作ろう鎌倉幕府」でお馴染みの鎌倉時代は、平氏を倒した源頼朝によって鎌倉で始まりましたが、実際は守護・地頭が設置された1985年が実質の幕府の始まりとされています。頼朝の妻北条政子は、夫の浮気相手の家をぶち壊すなど性格は鬼嫁並みに最強でしたが、政治への影響力も強く、芯の強い神奈川レディースのモデルなのかもしれません。

2.幕末・明治

幕末・明治

1859年に横浜港が世界に向けて開港して以来、横浜は貿易港として発展し、海外から文明が入ってくるようになりました。横浜に初の鉄道が開通し、水道・ガス灯・電灯といったインフラが初めて設置され、商業や文化も発達し、「異国情緒溢れる文明開化の町・横浜」のイメージが定着したのです。

神奈川の海

1.湘南

神奈川の海と言えば真っ先に出てくるのが、「ショーナン」という青春の響きを持つ海岸沿いのリゾート地域ですが、実は湘南の語源は中国の地名に由来するのをご存知でしたか?TV番組や若大将や裕次郎などの人気映画、サザンやユーミンなどの音楽の影響も大きく、ヨットやサーフィンなど若者文化が発展し、人気のデートスポットとして「青春」の聖地になっていったのです。

(1)江の島

江の島

湘南を代表する観光名所として有名ですが、周囲を海に囲まれた険しい地形は、元々は修行の場でした。島に奉られている弁才天は水の神で、歌舞音曲の神様として多くの音楽家や歌舞伎役者が訪れ、守護神としてお参りしています。周囲にはイルカやたまにクジラも訪れます。

(2)葉山
1894年に皇室の別荘として御用邸が置かれると、湘南の一部でありながら葉山住民は「他とは別格」という区別を好み、2020年開業の新しい京浜急行駅「逗子・葉山駅」の命名にも、「逗子と一緒にするな」と葉山住民の反対が多いことで近年注目されています。

(3)逗子

逗子

逗子マリーナに代表される海辺の複合リソート地で、ヨット停泊の他、リゾートマンションや海の見えるカフェ・レストランが立ち並び、「オシャレな湘南」に一役買っている町です。

2.みなとみらい21

みなとみらい21

港町横浜に1980年代から開発が進められてきた「みなとみらい21」は、海を借景とした臨海タウンとして発展し、ランドマークタワー・コスモワールド・赤レンガ倉庫などなど、数多くの娯楽施設や商業施設が立ち並ぶ横浜を代表する観光地になっています。ここでは海は名脇役に徹しています。

神奈川の山

1.箱根

富士山にも近く伊豆半島の付け根にある箱根町は、静岡県と勘違いされがちですが、東京から日帰りでも行ける神奈川屈指の温泉地なのです。

(1)芦ノ湖

芦ノ湖

派手な観光船で有名な芦ノ湖は、実は湖の半分が静岡県、半分が神奈川県に指定されています。かつてこの池で人々を苦しめていた九頭龍を鎮めるため祀られたのが、沿岸にある九頭龍神社本宮で、今では縁結びのパワースポットとして人気を集めています。

(2)大涌谷

大涌谷

火山活動が今も続く噴気地帯で、ロープウェイでその絶景を眺めることができます。この温泉を利用した温泉卵は硫黄と鉄分が反応して黒色をしており、観光土産として人気です。

(3)湯河原

湯河原

国木田独歩、芥川龍之介、島崎藤村、谷崎潤一郎など多くの文人や芸術家に愛されてきた温泉郷で、横浜から1時間でアクセスできます。万葉集にも読まれたこの町は、夏目漱石が「明暗」を絶筆した町としても知られています。

2.丹沢

県北西部に広がる国定&県立自然公園で、1000~1600m級の山並みは、都心から気軽に行ける登山コースとして人気があります。

神奈川のご当地グルメ

東京から気軽に日帰りで観光できる神奈川には、山・海で獲れる自然の恵みを活かしたご当地グルメが満載です。

1.生しらす丼

生しらす丼

湘南の名物と言えば、相模湾で捕れる「キラキラ光る海の宝石」と言われるしらすを使った「生しらす丼」が有名です。湘南ではカタクチイワシの稚魚を使っており、旬は春・夏・秋の3回あり、禁漁の1~3月を除いては年中いただけます。

2.鎌倉野菜

鎌倉野菜

西の京野菜に対抗できるクォリティを誇るのが、近年人気急上昇中の鎌倉野菜です。山と海に囲まれた自然条件がミネラル豊富な土壌を育み、その土地で育った野菜は普通の野菜よりミネラル成分が多く味が濃いのが特徴とされています。例えば鎌倉野菜を使ったパスタなどは、魚肉を使わなくても野菜だけでコクのあるパスタ料理が生まれるのです。

3.崎陽軒のシウマイ

崎陽軒のシウマイ

横浜の定番土産として全国的に有名なのが崎陽軒のシウマイです。「冷めても美味しい」をキャッチフレーズに昭和3年に誕生し、豚肉とホタテが入った一口サイズの飽きのこない風味が、今なおベストセラーのお土産として君臨しているのです。

4.喜久屋のラムボール

喜久屋のラムボール

ハイカラな町横浜は、全国先駆け的なお洒落なスイーツの宝庫ですが、個人的に一押しなのが元町に本店がある「喜久屋」のラムボールです。どっしりと重いチョココーティングのケーキは、ラム酒がたっぷり染み込んだちょっぴり大人のケーキです。

まとめ

山と海に囲まれた神奈川県は、海水浴、マリンスポーツ、山登りなどアクティブにスポーツも楽しめ、歴史ある鎌倉や小田原では心静かに寺社巡りも楽しめます。都心からも近く週末は箱根や湯河原の温泉旅行が楽しめるのも魅力です。未来都市横浜で便利なシティライフを謳歌しつつ、ちょっと遠出して自然の中でほっと息抜きできる神奈川県は、「住みやすい県」に選ばれるのもナットクですね!

エリカ・ド・ラ・シャルモント(Erica)
公職以外にも、翻訳・通訳・コーディネーター・ライターの他、不動産業も手掛け、フランスの雑誌編集にも携わっています。 クラシックカーとアンティークは蒐集家でインテリアは専門分野、旅行、ドライブは趣味でフランス人の夫と世界中を駆け回っています。
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